2012年7月21日土曜日

鈍感→異音→ザッハトルテにリベンジ→18%の世界→極限を超えると笑いが出る→興味の幅の狭い人間に


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本日の走行距離66km 計2092km

6時半起床。
鶏小屋の真横にテントを設置したため5時半頃から鶏たちが鳴いていたそうだが、全く気がつかなかった。最近良い意味でも悪い意味でも鈍感になっている気がする。(自覚症状があるだけに致命的な鈍感ではないと思うが)

結局誰も来ず、貸切キャンプ場として独占して過ごすことができたこの素敵なキャンプ場で朝ごはんをのんびりと食べ(パン、チーズ、コーヒー)8時15分出発。

本日はオーストリアからスロベニアに抜ける峠が待ち構えているので若干気が重いような楽しみなような複雑な気分。
 標高は1100m足らずだが傾斜が18%というところが恐ろしい・・・今までにも短い距離なら18%を越えたことがあるが、峠越えとなるとさぞかし大変なのだろう・・・。
そんなに大変ならば避ければ良いのだろうが、

・僕らの持っているイタリア北部地図に載っているオーストリア→スロベニア国境域の道はかろうじてスロベニア北西部のその峠までしか記載されていない。

・スロベニアの見所のジュリアンアルプスに行くには最短距離になる。
 との理由で峠越えを決めたのだ。


しかし・・・峠まで少なく見積もっても40kmほどある。その距離を走ったうえで峠を上れるかどうか・・・まぁとりあえず行ってみることにしよう。

本日ものどかな自転車道に沿ってひたすら進んでいく。
オフロードではあるが川沿いで平坦な道のため順調に進む。30km先のVillach近くまで1時間半ほどでやって来て、このまま街に入るかと思われた時、僕の自転車から何かが擦れる異音が聞こえてきた・・・

すぐさま荷物を全て外しチェックしてみたものの原因発見できず。
さらにいろいろな箇所をチェックすると、以前も外れた泥除けの裏にあるケーブル止めが外れていた。(大きな問題でなくてよかった)

そして再び走り出し10時半頃Vollachに到着。
この街でオーストリア出国前にもう一度ザッハトルテを食べよう。今度こそ美味しいザッハトルテを食べようと、データのロンプラ情報をしっかりと読み、厳選した店を目指し可愛らしい街の中心にやって来る。インフォで場所を確認し、発見した有名店では美味しそうなケーキが溢れている。
カプチーノ、ザッハトルテ、メレンゲ生地のコーヒークリームケーキを注文。

食べると・・・

美味い!!
これだよ、これ。こういうのが食べたかった。よかった美味しいものが食べれて。

ケーキ休憩でお腹は喜んだが、体は休憩モードになり走り初めは体が重い。

川沿いをさらに走り、若干道を間違え峠越えにようやく入ったのは既に13時半頃。
気になる道のりはとりあえず18%が3・5kmとのこと・・・今までバイクや車で走った時には気にならなかった傾斜だが、たった3・5kmでもなかなか気の重いものである。

しかし1mずつでも距離を縮めていかないことにはスロベニアに入国することができない。
意を決して走り始めると、始めの1kmほどは急な坂ではあるが上れないことはない。これは意外と自分たちの体力が向上しているのか?と思ったがそれは大間違いだった・・・

徐々に上がっていく傾斜・・・

じわじわと時速5kmを切る速度になっていき、始めは息切れしないようにマイペースを心がけていたがそんな余裕もなくなり、というかそんななことをしていたら1mmも進めないような傾斜になってきた・・・

のでペース配分もそこまで考えず、とりあえず300mずつでも上っていくことに。

アサはケーキの食べ過ぎもあり、途中から失速・・・今回ばかりは成長著しいアサでもかなり厳しいようなので手伝いながら上る。

それにしてもなかなかの傾斜である。
発熱してきた筋肉と頭を冷やすため水の使用量が跳ね上がり、水の残りが不安になってきた・・・・

昨日スーパーで買った桃があることを思い出し、水分補給&栄養補給のために食べる。(果物は良い)

休憩後500mほど一気に上ったが、それからは300mずつ、そして300mずつだったのが200m・・・100mとジリジリとペースダウン。

そしてだいぶ上ったあと18%区間残り600mの看板が出てきて「そろそろ傾斜も穏やかになるかな?」とカーブを曲がると・・・


・・・・・とんでもない傾斜の坂道が待ち構えていた。


想像以上の傾斜に思わず苦笑いしてしまったほど・・・人間ある一定の範囲を超えると笑ってしまうようだ。

しかし進まないことには、一旦諦めて戻ってしまえば明日再び挑戦する意欲はなくなってしまうだろう・・・
疲れも出てきたため、待っすぐは上りきれなくなり傾斜を緩めるためにジグザグ走行に切り替える。それでも一度に50~100mがやっと。もう漕いでは上れないアサは必死で自転車を押している。早く上まで行って手伝いに戻りたいのだが、傾斜が厳しすぎて自転車を停車する場所を見つけることすら困難になってきた。

しかも道幅が狭いのでジグザグに走りたくても車がやってくるたびに止まらざるを得ない・・・しかもこんな大荷物を積んでこの峠を走る自転車が珍しいのか、わざわざ横で減速してじっくりと眺めてくる。なかには声援をかけたい気持ちで止まってくれた人もいるかもしれないが、応える余裕がない。
観光バスからはパシャパシャと写真を取られる・・・そんな姿に八つ当たりのようにイライラする。

途中、山から流れ出る水を頭からかぶると、その水が汗で塩辛くなっていた。
しかし、頭を冷やしてから最後のラストスパート。残り600mと書いてあったが、その600mを過ぎてもさらに300mほど上らされる、という事態は生じたがなんとか乗り越え、下り坂が見える位置までやってきた。

ようやく終わったか・・・とホッとしかけたが、峠の頂上を示す看板が見当たらない。
オーストリアは看板ないのかな?それともまだ上るのかな?と不安を感じつつ坂道を下る。少し下ったあと、飲めそうな水場を発見したので水を汲み昼ごはん休憩。

先ほどは暑さと、水分不足と集中力を切らせないので桃しか食べれなかったが、ホッとした今、チーズ、ハム、パンを貪るように食べる。頑張った体へのご褒美である。

食後、スロベニア情報不足から野宿もありうると、水をすっかり組んで再び走り始める。
大きく左にカーブする場所で「曲がり終わったら上り始めたらどうしよう・・・」と2人不安になるが、無事上りにはならず。


「セーフ!!」


と笑顔でアサを振り返り応えた直後・・・次の右カーブを曲がるとまたもや急坂が待っていた。
それもけっこう厳し目の・・・

「さっき昼ごはんを食べておいてよかった」と感じながらヨタヨタと上っていく。今回は数十メートル単位で休憩しながらゆっくり、というかもう刻まないと上れなくなってきている。
アサも漕げるときには20ペダルずつ、必死に漕いで上っていた。

そして今度こそ!!という頂上付近に来たが、相変わらず看板がない(無意味な戦車のオブジェはあったけど)・・・まだあるのか・・・
とがっくりうなだれながら走り始めると・・・


あった!!

小さい看板に1073mと書いてあった。

2人ほっとして一気に脱力。
ほっとして下り始めるとすぐにスロベニア国境到着。

自転車旅5カ国目である。

バックパッカーの時は一ヶ月1カ国ペースだったのに、最近では一週間で1カ国ペース。ペースが上がっているのは何故だろう?人間やればできるんだな。

さらに下ると、町が現れる。
インフォメーションセンターでキャンプ場があることを聞き、スーパー後キャンプ場へ、エコキャンプとのこと21E

敷地内では何かしらの撮影していたが興味なし。

無料ズッキーニがあったので数本もらう
その後一人で写真を撮りに近所をフラフラ。スロベニアも綺麗である。

晩御飯はズッキーニのバター炒め、貝型パスタと茸ホワイトソース。
晩ご飯後、コーヒー休憩をしながら九つどいでいると鹿がやって来た。しかし君にもが興味は無い。
人懐っこく寄ってきたが邪魔。撮影も興味ない動物にも興味ない・・・興味は食べ物と景色だけ。偏屈な人間になっている。

食後、自転車メンテ、日記を書き22時半就寝。

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