2012年8月11日土曜日

腐っても鯛→物乞いについて→水は大切→個人経営キャンプ→飲酒しながら飲酒検問?→精算はどうなる?



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本日の走行距離83km 計2914km

5時45分起床。
本日もついつい朝食を食べてから出発することに。それでも7時に出発出来たので多少は成長しているのであろう。

出発後はひたすら真っすぐ国道を走っていく。
日差しが強いがまだ涼しいのでゆっくりと進んでいく。

20kmほど走ると、アルバニアの首都Tiranaに到着。街に入ってすぐ若干の上り坂になったが、まぁどうってことはない。

大きな町なので、昨日アサが紛失したサングラスの代わりを探しながら走っていると、すぐにサングラス屋発見。今までの経験上から300~500Lと予測し、アサに「300Lで交渉宜しく」とお任せする。(無くした責任は自分でとってもらう)

交渉結果400L320円)で落ち着いたようだ、まぁ想定の範囲内。

首都Tiranaは、思ったよりも整備された綺麗な街並み、悪く言えば味気ないが、自転車専用道路なども整備され、Opera劇場まであるのは予想していなかった。腐っても鯛、寂れててもヨーロッパである。

首都にあまり興味はないのでElbasanの町に向けてさらに走り始めようとすると、自転車乗りのおじさんが、「まっすぐ行って右手に美味い店があるぞ!!」との助言をくれて去っていった。もう少し丁寧なヒントを・・・と思ったがすでにおじさんは去ってしまっていたので、その方向に走り、「これかな・・・」と感じたテイクアウェイの店でピザをひと切れ70L56円)で購入し、食べる。
日本の惣菜パンのような懐かしさで、まあまあ美味しかった。

そして再び走り始めると、物乞い少年たちがやって来た。
国境以来2度目なので、「あぁ・・・やっぱり首都にはいるんだな・・・」ぐらいに感じつつ接したのだが、なんだか違和感を感じる。

貧困を前面に出すでも、「金クレ」を前面に出すでもなく常に笑顔で「お金をちょうだい!!」と言ってくるのである。

思うに、彼らはプロだな。
プロ、というのはバックに親以外のエージェントがいるような子供たちのことである。
たぶん、どう接したら旅行者がお金をくれるのかをしっかり叩き込まれた結果、自分の感情を出せないまでになってしまったのだろう。
そのため笑顔なのだけど僕には能面の作り物の笑顔に感じた。

当たり前だが、遊び盛りの子供が服も着ず、楽しそうににお金をねだるなんて行為は薬に手を出しているか、純粋に大人をおちょくる遊びをしているか、そのように教育されているかぐらいしか考えられない。
可愛そうだが、「あげるお金はないよ」と言ったのだが、それが耳に入っても笑顔でこちらを見続けていた。

その後、物乞いの子供について考えながらしばし走る。
今まで、僕は、働かずにお金だけ貰おうとする子供に対しては原則あげない。本当に飢餓状態にある子供には食べ物など”その子供が直接その場で食べられるものをあげる”でよいと考えていたが。

最近思うのは、深く考えすぎなくても与えたければ与えたらいいし、与えたくなければ与えなくても良いのではないだろうか?ということ。
結局、人なんて皆、無駄なものにお金をおとし、世間をダメにしているのだから。
風俗などと同じで(といったら物乞いの子供に、もしくは風俗嬢に失礼かもしれないが)お金を使うことで、悪しき習慣に拍車をかけるとしても、一定の範囲では仕方がないのではと。だって僕らだってお金を払って肉を食べることで大量のホロコーストに加担しているわけだし、それを自分たちがさも聖人のように「あんなことをしてはいけない!!」なんていう資格は僕にはない。ただ、僕は自分がよくないと思うからお金はあげない、というスタンスでいいのかな、と。

何がよくて何が悪いかなんてものは単純に判断できないものなのだ。

物乞いの子供にお金を与えることで幸福を感じる人がいるのであれば、物乞いの子供はそのような人に対しては価値のある仕事をしていることになるのだし。(お金をもらって満足感を与えるのならば風俗嬢と同じである)それが良いことか悪いことかは、どの視点から見るかで変わるのだろう。

もちろんそれにより子供を使った悪質なビジネスが横行する、真面目に生きている子供がバカを見る、などの問題があると僕は思うのだが。

そんなことを考えているうちに上り坂に入る。「今日は500mぐらい上る」と正確な情報ではないが聞いていた気がするな。

傾斜は大したことなくゆっくりと進んでいく。

途中、フランス人チャリダーに出会い、アルバニアの地図を写真に撮らしてもらうことができた。彼らはフランス→イタリア→(船で)アルバニアにやって来てマケドニアを目指しているようだ。

彼らと別れたあと、僕らはカフェ休憩。こうして進行速度は誰よりも遅いチャリダーとなる。(完全休養日が少ないので結果同じぐらいなのだが)

峠の途中で水が無くなりそうなので商店に寄ろうとしたらアサが「今いいペースだからが止まりたくない、水いらないから大丈夫」という。
「まぁ僕は大丈夫だし最悪果物もアサが持っているから大丈夫か・・・」とさらに峠を登って言ったものの、案の定アサは水切れになる・・・どうやら果物の存在も忘れていたようで、木陰で追いついてくるのを待っているとヘロヘロになってやって来た。水を舐めていたアサもこれで水の大切さに気がついたようだ。

その後もひたすら上るとカフェを発見し、そこで水を頂き生き返る。
そしてさらに上る、万が一のためにペットボトルで予備の水も購入した後、ようやく頂上付近。景色は、まぁ普通だが、世界中の峠がすべてスイスやドロミテのわけではないので仕方がないだろう。この普通さが個人的には嫌いではないし。

上りきったあと、さらに水購入して(気温が40度を超えている為か水分を欲する)一気に下る。ドライアーのような風を受けつつ下界まで。
そこからさらにElbasanに向かう。
町に入る前にケバブサンドをレストランで食べる。味はよかったのだが、精算でもめる一個1・5Eだったのを2Eにしようとするし、勝手に追加で持ってきて注いでいった水を払わせようとする。
こういうことには一歩も折れない、というかむしろ断固拒否の姿勢に入る正確なので、論理的に(時にヤカラのように)話し若干安くさせる。途中助太刀に入ってくれたアルバニア人男性が「これがアルバニア人なんだ・・・申し訳ないね」と言ってくれた。

再び水買出し後さらに走る。
町のインフォメーションセンターは日曜日で休みだったのでとりあえず次の町まで行く事に。

しかし町を出てすぐにキャンプ場らしきものを発見。
尋ねてみると自動車修理工の家族経営の貧相なキャンプ場、それで10Eと高いような安いような。
芝生はしょぼく、日陰もない。だけどこれ以上進んでもキャンプ場は無さそうなので泊まることに。
とりあえずぼんやりしていると、水をくれた。

親切だがアルバニアの3日間の中で一番貧素だな・・・。

結局テントは日陰のある、家の敷地のコンクリートの地面の部分にする。。
家族と共同のシャワーを浴びるために家に入ると中はとても綺麗。洗濯機を使っていいとのことなので今まで手洗いしか出来なかった服をまとめ洗い。
その後再びぼんやりしていると、カフェに呼ばれ、ビールをご馳走になる。これはお金取られるのかな?と思ったが精算は明日なのでまぁ明日先方の出方を見て考えよう。

晩御飯食べにおすすめレストランに徒歩で行ってみたのだがしまっていた・・・
仕方がないので帰って自炊しようとすると、卵や、野菜などの食材提供してくれた。

「料理中は男はしなくて良い」とクーラー部屋で一人パソコンをして過ごす。天国。
オリーブ、チーズ、きゅうり、トマト、ピーマンを塩とオリーブオイルで簡単に味付けしたサラダ、目玉焼き、葡萄、パン。すべて美味し。

しかし、このお金もどうなるんだい?まぁ・・・これも明日の朝の先方の出方次第としよう。いや、払うものはさっさとしておきたい、と「明日の朝は早いから精算したい」と言ってみたが「明日の朝で良い」という。

食後、「太陽が沈んだからカフェに行こう」と、誘ってくれビールを4杯ご馳走になる。
飲酒検問のケーサツが飲酒していたので「いいのあれ?」と聞くと「ノーマル(普通だ」とのこと。
アルバニアでは警察の給料が300Eと安いから、無駄な飲酒検問を行い、賄賂2Eずつを稼いでるとのこと。
「賄賂2Eで済むからアルバニアでは酒を飲んで車に載っても問題ない」とのこと。

賄賂のスイカのおすそわけをもらったようで、それを食べた結果美味しくなかったので、もらい物にもかかわらず警察に文句をつけに行っていた。

姉と弟の兄弟が2人で鬼ごっこをしている様子も可愛い。(お姉ちゃんは庭の花を積んで花束にしてアサにプレゼントしてくれた)
おばあちゃんアルバニアの民族衣装(?)である白い帽子を「素敵ですね」と褒めると少女のように喜んでいた。アルバニアの言葉で「4~」と言っていたので「40歳からかぶってる?」か何かなのかもしれない。

家族経営の貧相なキャンプサイトだが結果面白かった。明日の精算が気になるが、まぁとりあえず寝てしまおう。
 

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