2012年8月7日火曜日

アルバニア入国、スタンプを貰えず・・・→気になる嫌われジプシーの国→聖火?→袋犬?→親切だ→トラックに先導される→久々に外食で肉を注文


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本日の走行距離77km 計2759km

5時45分起床。

涼しい部屋、快適なベッド、このままここで寝ていたいという気持ちもあったが、現時点での快楽を選ぶと、その後に地獄が待っていることはよくわかっているのでここは頑張る。

テラスにて優雅にコーヒーとパンで朝ごはんを食べた後、準備を終え6時50分に出発しようとガレージに行くと、鍵がしまっている・・・・

下の商店の営業時間を見ると7時からとのことなので10分ばかり待つ・・・
 
やってきたおばちゃん連中に鍵を開けてもらい、水やお菓子を購入したあと7時10分に出発。

まずはアルバニア国境に向けて30kmほどゆるやかな上り坂。
昨日しっかり寝れたため、足も回復しているようで海や山の景色を見ながら気持ちよく坂道をこぐことができた。
おそらく国道沿いを走ったほうが早かったのだろうが、少し上って苦労した分、綺麗な景色を見れたと思うとそれはそれで良い。

ある程度上ったらゆるやかな下り坂、ポーランド人ツアー客のおじさんから写真を取られる。別に良いけど撮る価値無いですよ。

さらに順調に走り9時頃モンテネグロの出国場所に到着。

すんなりスタンプをもらい、いざアルバニアへ。
アルバニアはジプシーの国だから行かないほうが良いよ、とこの辺の人にも言われた国、そしてチャリダー評価もあまり芳しくない。だけど個人的にはとても気になる。
そこまで人に酷評される、そして誇り高き?ジプシー、さらには国家的ねずみ講で財政破綻した国。
気になりすぎるこの国に、アサの「興味無い」意見を却下し自分の我を貫いたアルバニア。どうやら僕は人々に酷評される国がとても気になる性分のようである。
それは「考え方が全く理解できないほど悪い人々が存在するのか?」、そして「存在するのであれば彼らはなぜそういう行動パターンをとるのか?」ということについて知りたい、知的好奇心なのだろう。

国境を越えると雰囲気はガラリと変わりものすごい数の物乞いが。表情を見た感じ、深刻な貧困ではなく、お金稼ぎで行なっている人が多いように感じた。(個人的には)

子供らに「お金無いよ(笑)」と笑顔で返すと笑顔が帰ってきたのが物事が深刻でない証拠。

なんだかヨーロッパから中東に飛んできた感じだな。と、思ったがもしかしたらもう中東の始まりなのかもしれない。なんせ、ギリシャを通過すればもうトルコなのである。(その道を選べば、だが)

そんなことを考えながらアルバニア側のイミグレーションを探したのだが見つからず、近くの商店のおじさんに尋ねると「もっと先じゃ!!」とのこと500mほど進みカフェのおじさんに尋ねると身振り手振りで「もっと先だと思うよ・・・」とのこと、なんだか怪しいが信用し、さらに1km進むと
学校があったり、ホテルがあったりと完全に町になってきた・・・これは違うだろ、と思い、自動車修理工のおじさんたちに尋ねると

「イミグレーション???それが何なのかよくわかんねーけど・・・、おい、商店のババァ!!イミグレーションってやつ知ってるか??、なに、知らない?わりーけど知らねぇみたいだ・・・なに?パスポートにハンコがいる?でもモンテネグロ側では押してもらえたんだろ?もう入っちゃったんだからいいじゃねぇか!!」と男らしく、他人ごととして適当に答えてくれた。

それじゃあ・・・まぁいいか、最悪アルバニア出るときに一苦労すれば済む話だし。

そうはいっても気分的には落ち着かない中をモンテネグロの海と緑の山々が、赤茶けた山と財政不足のためか穴ぼこだらけの道を眺めながらひた走る。

音楽は完全に中東のものに変わってきている。
ロバがウンコをしている光景も久々である。

途中、前方から聖火を持って走ってくる女性が!!
えっ!!オリンピックってアルバニアでもやってるの???と一瞬思ってしまったがそんなはずはない。
とすれば完璧なマラソン衣装で本物の火を使った聖火をもって走っていた彼女は何物???非常に気になったが追いかけるのは面倒なので諦める。地域祭りの一環なのか?World~って胸に書いてあったけど・・・。


さらに走ると、前方から子犬の泣き叫ぶ声が・・・
姿は見えないが悲痛な叫びがどんどん迫ってくる・・・のに声のぬしが見当たらない・・・。
と、思ったら声の主の居所を思わぬところから発見!!
それはスーパーの袋の中!!
分厚い袋のようで姿は確認できないがゴソゴソと動いている、そしてそれを嗜める持ち主のおばちゃん・・・これは・・・虐待的な散歩?それともアルバニアでは犬を食べるのか???これも結局答えがわからないまま通りすぎるだけに。


それにしても・・・アルバニアはものすごく面白いのではないか?と感じ始めてしまうではないか。
その後、インフォメーションセンターもなく、とりあえず太陽を見ながら「南かな?」と思う方向に何となく進んでいく。

しかし、今自分がどこにいるのか全く分からず、どこに向かうのかも全くわからない状況というのはそれはそれで気持ち良いものである。

旅人の中には「ガイドブックなんて軟派なものは必要ない!!」というガイドブック否定派と、「いやいや、素敵な名所を見落とさないためには必要でしょ!!」という肯定派に分かれるようだが、僕らはまぁ・・・中間。情報も大切だし、行動が決まってしまうことの弊害もわかる。まぁ、臨機応変に使っている。
もちろん、ガイドブックに関してはどちらが正解なんてものはなく、旅のスタンス、もしくは好み次第なのだろう。


「美しい景色に魅了されながらの楽しい旅をするために読む」
「サプライズにあふれたドキドキする楽しい旅をするために読まない」
どちらも正解なのだろう。

しばし走ると大きな町Shkoderに到着・・・しかしアルバニアのどの辺にいるのか全然わからない。
カフェをしながら店員さんに聞くにもアルバニアのお金がないし、同じ理由で地図も買えない。

要は金か!!

と、まずは銀行で両替を行う。

これがまた手際が悪く、一人5分ほどかかる・・・6人待ちだから30分か・・・と諦めた表情で待っていたら係員のお姉さんが「両替だけだからそこのアナタ先に来て!!」と優しい声が、しかし長い時間待ってる他の人に悪いな・・・と皆を見渡したら、笑顔で「どうぞ!!」と言ってくれている。

おぉ・・・アルバニア人良い人!!
やはり実際に訪れてみないとその国のことは分からないものだな、この先どんな印象に変わるかわからないけど、良い人もいる。これは大切な収穫である。

100Eを13520Lekのアルバニアマネーと両替し、カフェにでも行って現在地を確認しようと思ったのだが、アサはこの猥雑な町がお気に召さないようで、「もっと静かな場所で休憩したい」という。
ので何となく5kmほど未舗装路かと思うような舗装路を走り、静かな場所でガソリンスタンド兼カフェに入店。

カプチーノと言ってみたが通じなかったのでカフェで妥協する。
エスプレッソマシーンで淹れた美味しいコーヒーを飲みながら、のんびりコーヒー休憩。この辺にはもう畑ぐらいしかいない。
ごく稀に給油しに車が来ると、カフェのマスターを常連さんが呼んでくるといった、何というか非常にいい感じの田舎カフェである。

常連客の人懐っこいおじさんたちは自分たちから挨拶しておいて、こちらが英語で「ハロー!!」と答えると目を泳がせてドギマギする可愛らしさ。
あ~僕らの(僕の?)濁った心が洗われる。

カフェは2杯で100L75円)と非常に安い。物価が恐ろしく下がっていく。
店のマスターにキャンプ場があるのではないかと思う、湖への道を尋ねると、君らが来た道を先ほどの大きな町まで戻って左折とのこと。

・・・・戻るのか
戻るのが嫌な「・・・・・」を道がわからないと思った常連のトラック乗りのおじさんが「俺についてきな!!」と僕らの返事も待たずにトラックに乗り込み走り始めた。

いやいや、通り過ぎたんなら別の目的地を考えるんですけど・・・と思ったが、もう先導体制に入ってくれているので流れに身を任せてついていくことに。

kmほど砂埃を巻き上げて走るトラックの後ろで涙目になりながらついていった後、おじさんは身振り手振りで「この先のランダーバードを左だぞ!!」と説明してくれた。

おじさんと別れたあと、さきほどお金を両替した銀行もすぎて走っていくとShckoderの中心らしき場所に到着、そしてインフォメーションセンターを発見。
これは良い、とハガキとマグネット購入後、近くのキャンプ場を尋ねると、Bushatの町(20km程)にあるとのこと。

本日の目的地がようやく定まり、国道沿いにほぼ上り下りのない平らな道を1時間ほど走り、キャンプ場のマーク発見。どうやら国道から6kmほど中に入るようだ。

看板目指して走っていくのだが、どんどん田舎になっていく。
普通キャンプ場は海とか山とか都会とか観光地の近くにあるものなのに、この辺にはロバ、牛、山羊などの力無き草食動物の気配以外には何も感じない・・・本当にこんな場所にあるのか?
と不安に感じ始めたのだが、ありました。

オランダ人経営の結構立派なキャンプ場が。
受付で値段を確認すると2人で8Eと良心価格。WIFIもあり、芝生も綺麗で日除けまで付いている。
特別なものは何もないけど必要なものは何でもある素敵なキャンプ場だ。

しばし、芝生の上でゴロゴロした後、テントを設置し、キャンプ場のカフェで白ワインとビールを飲みながらネットをする。

オリンピックの日本に成績は現在のところあまり芳しくないようだ。
夕方までのんびりした後、今日はここで晩御飯を食べようと思ったのだが一人12Eとの値段に焦り、キャンプ場を飛び出し、近くのローカルレストランを目指す。

ローカルの中では高級と思われる外観のレストランのメニューを覗いてみると、5E程度で2人しっかり食べれそうな良心的な値段設定。

今日は贅沢に
・グリークサラダ
・ソーセージ×2
・フライドポテト
・ミックスグリル250g
を注文する。

これで5Eちょっととは嬉しい。
味もGood、レストランで肉が注文できるなんていつ以来のことだろうか。
美味しく味わいながらも視界の中には僕らの自転車を羨望の眼差しで見つめる子供たちが。
この村でも、常にいろいろと挨拶を受ける。
中には「チャイニーズ」というものもあるが悪意なく、ただ中国人だと思ったからそう言っているだけのようで、不快な思いはしない。
皆笑顔で、僕らが手を振ったり、イタリア語の挨拶で返したりすると嬉しそうな顔を見せてくれる。今のところアルバニアはかなり好印象である。

お腹いっぱいになりキャンプ場に戻るが喉が渇いたので商店にスプライト、ビール、ソフトドリンクを買いに行く。3本で170L120円)とほぼアフリカ、中東の物価と同じ。

キャンプ場で他のキャンプ場情報を聞くと90kmほど走ったところにキャンプ場があるとのこと。目的地も決まったので、日記を書き22時就寝。

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