2012年10月27日土曜日

オフロード→自転車で川を渡る→犬子との出会い→田舎村に宿泊

 
10月19日
本日の走行距離36km 計6431km

8時半起床 
外が暗いな・・・と思ったら村が霧で覆われていた。

本日もチャイをもらいに行くと、サービスでパンと蜂蜜をつけてくれた。

昨日のトレッキングの影響でずしりと重い体に鞭をうち荷物準備を行い10時に出発。
本業の公務員の仕事に出かける前のマロニーに挨拶をしに行き、少し話すと、ウシュグリを越えてクタイシ方面へ進む道のりは「オフロードだが雪が降っていなければ大丈夫だろう・・・」とのこと。

出発したものの、本日は霧に隠されて山が全く見えない・・・こんな天気の日に到着した人はかわいそうだな。

まずはメスティアの町の中心にある橋を渡ると早速上り坂が現れる。
傾斜は8%程度で問題ないが昨日の山歩きの疲れが太腿に来ている・・・・

ゆっくり坂道を上っていき、途中の分岐を左方向に下り始めるとオフロードになる・・・荷物を積んでの荒れたオフロードなのでタイヤが心配である。

ガタガタ揺れながら走るのは大変だが、次第に雲が晴れてきたので山や小さな村が姿を現してくれ景色は良い。”ヨーロッパ最後の秘境”と言われるウシュグリ以外でもかなり良い村があるようだ。(”秘境”とガイドブックに載っている場所はすでに秘境ではないのだが)

本日の道のりは単純に坂道を上るだけでなく緩やかな下りも結構多い・・・ということは単純に600mUPではなく実質それ以上に上らされる少し大変なことになりそうだ・・・
高度が2000m近くになると少し肌寒くなる。しかし自転車をこいでいれば体は温まりちょうど良い気候。

気分良く走っていると突然目の前に幅5mほどの川が現れる・・・少し深さもあり、流れもそこそこ速いため自転車を漕いでは進めなそう・・・

心を決めて裸足になり自転車を押して川を渡る。足の皮膚を突き刺すような雪解け水の冷たさの中、転ばないように慎重に歩を進めていく。
アサの分と2台分を無事に対岸に渡し切りようやく難所クリア・・・

しかし・・・今後こういったものが現れる可能性がまだある・・・なんたってこの道についての情報をほとんど知らないのである。
「ウシュグリまでたどり着けなければメスティアまで戻ったら良い」と思っていたが、どうやら戻るのもけっこう大変なようだ。

その後もぬかるんだ箇所や大きな石がゴロゴロ転がっている場所に苦戦しつつ進んでいくためペースが上がらない・・・日が暮れる18時までにはたどり着きたいのだが10時に出発したので猶予は8時間。

48kmを最低でも時速6kmで8時間というのが最低ラインのペースなのだが、ここまで時速7km程度とあまり貯金ができていない・・・今後激しい上りが頻発したら日没になってしまうな・・頭の片隅に野宿もいれつつ進んでいくことに。

綺麗な景色を見ながらひたすら上り12kmほど進んだところで分かれ道、どちらに行くのかわかりにくかったが、遠くの看板を確認すると右に下れとのこと。そこから一気に下る・・・

下りは下りで、大きな石や穴を避けながらの走行のためブレーキをかけっぱなし、集中しっぱなしで心身ともに疲れる・・・

400mほど下りきって小さな村に到着。
最悪、どこかで断念してもここまで戻ればテントを張らせてもらえそうだなと安心する。

村を越えた後、しばし泥濘んだ平地をひた走り14時に昼ごはんとしてパンを齧る。
この時点で26km進み、残り22km
4時間で22kmだから時速5km以上では走らなければならない・・・しかしアサのペースがかなり落ちてきて上りでは時速5kmを下回り始めた・・・「日没に走るぐらいなら、早めに野宿に切り替え、明日の午前中にウシュグリについたほうが良いかな」と思い、提案するが、「ウシュグリまで着きたい」という。

・・・・これは大半を手伝うか、途中で断念してもらうかの二択だな、と思いながらぬかるんだ坂道を上っていく。

しかしここから予想していなかった下りが現れてくれたため一気に進み残り15km程になる。
まだ15時なので「これなら何とか行けるかな?」と思いながら走っていると、前方から茶色の中型犬が現れる、一応警戒しつつ走って通り越そうとすると、吠えるでもなくグイグイ真横まで接近して来たので、一旦止まり、石を拾い投げるふりをして威嚇する。

・・・が若干怯えた様子を見せるも立ち去る様子はない。
しかし吠えるでもなく雰囲気的に悪い子ではなさそうだ。
害はなさそうなので気にせずに走り始めると何故かついてくる・・・・結果そのまま6kmほど並走。
小さい村の民家から吠えられると、僕らの陰に隠れる犬(犬子)

どういうつもりなのだろうか???
まぁ癒されるからいいのだけど情が移るんだよな。

など考えながら走っていたら、民家4件ほどの村とも言えない小さな集落の中に予想していなかったHOTELの文字が!!

これは有難い、と値段を確認しに行こうと思うと、敷地内から大きな犬が2匹吠えながら走ってきた。
そして犬子目指して突進!!どうやら雌犬が旦那を奪われないように襲いかかったようだ・・・そして噛み付かれ目の近くを怪我する犬子・・・

なんだか責任を感じてしまう・・・

HOTELの主人(ラウル)が来たのでそれ以上の争いにはならなかったが、襲われたにもかかわらずその場から立ち去らずなぜかまだ僕らのそばにやって来る犬子・・・

ラウルが「君の犬か?」と聞くぐらい僕らの飼い犬のようになっている。
まぁ放置しておこう、と思いつつ肋骨が浮いているほどやせ細った体で健気についてきた犬子を不憫に感じ、本日の夕食のために持っていたパンを分けてあげることに。

その後、ラウルからグルジア語を習ったりしながらまったり過ごす。
ウシュグリが小さく可愛らしい村として有名なのだが、小ぢんまり感ではこちらのほうが上のようだ。することは特にないが僕らの好きな感じの場所である。

薪で沸かしてくれたお湯でシャワーを浴び、休憩後、相変わらずメス犬に襲われかける犬子を助けたり、3匹の犬が仲良くなるように公平にパンを与えたりしたりして過ごす。

宿は30→20Rで食事付き(犬子と襲いかかった2匹の巨大犬に与えたために食料がなくなった・・・)でプラス20R

計2人分の宿泊&朝、晩御飯で40R2000円)普段、食事は付けないのだが(あまり大勢の旅行者と食べるのも気を使うので)ここは僕ら以外泊まっていないし宿泊費も安くしてくれたので良い。
犬子を元の場所に帰らせようと、HOTELの敷地から300mほど離れた場所まで連れて行き、棒で叩くふりをして「帰りなさい」と言ってから心を鬼にして振り向きもせずスタスタ宿に戻るが、後ろから気配が・・・・確認すると僕の後をダッシュ追いかけてくる犬子・・・
そして敷地に入ると巨大メス犬に再び吠えられ、また僕の後ろに隠れる犬子・・・
どうしたものか???

「吠えられるのは君が敷地内に入るから悪いんだぞ」とこんこんと説教するものの通じるはずもない・・・

18時前に晩御飯としてハチャブリをもらい、その後豆スープとパン。
前菜としてはまずまず・・・アサから「他何が出てくるかわからないから食べ過ぎないように」と言われたが、お腹がすいていたのでペロリと完食。

チャイが出たので飲みながら次のメニューを待つ・・・・が30分ほどたっても何も出ない・・・まさかこれで終わり???いやそんなわけないよな??などの会話。

キッチンから調理している音は聞こえるので何かは出てくるはずだ。

ラウルが来たのでいろいろ会話。
・雪はまだ降らない11月から降る
・ウシュグリからクタイシは110kmほど
・クタイシからトビリシは200kmほど
その後、確認のために「キッチンでご飯何作っているの?」と聞くと「肉」とのこと。どうやら肉料理があるようだ。と安心したのだが、その後さらに1時間何も出てこない・・・
体が冷えてきたというアサが、薪オーブンのあるキッチンに温まりに行くと・・・・なぜか地元の人たちが鍋を囲んで肉を食べている・・・
そしてキッチンにはそれ以外料理は何もない・・・やっぱり僕ら用は豆スープで終わりだったよう・・・それで20Rは高いぞ!!

近所のおじさんが「肉食いな」と言ってくれたので「実際は僕らの晩御飯だったんじゃじゃないのかい?」、と思いながらも「ありがとう」と血入りソーセージと脂身の肉を食べる(臭みがありアサはNG
ハチャブリを更にもらって食べたが、晩御飯としては不合格。
たぶん宿では晩御飯は付けずに自分たちでレストランに行くか、メニューを訪ねてから食事をつけるべきと学習する。
「コーヒーももらったし、明日の朝食もあるので良しとしよう」と納得することに。

安全な避難場所として外のテーブルの下に僕らがいないときは隠れている犬子に肉についていた骨や持ち帰らせてもらったハチャブリを分けてあげる。こういうことをするから離れなくなってしまうのだろうが・・・

そして寝ようと、3階の部屋まで階段で上がろうとすると、当たり前の顔をして階段を上ってくる犬子・・・いやいや、さすがにそれは駄目。
階段を押して下ろさせ、不服そうながらもようやく諦めた犬子を残し、部屋に入り日記を書く。
書く事が多いなぁ・・・と思いつつ、カタカタ日記を書いていると、ドアが開く音が。

この部屋はドミトリーだから新しいお客かな?と思ったら、そこには犬子・・・登ってきちゃったようだ・・・
歯磨きついでに犬子を下まで下ろした後、再び部屋に戻ろうと階段を上り始めるとまた付いてくる・・・しかたがないのでラウルにそのことを告げ、登らないように見張ってもらう。心が痛いが仕方がない。

このまま日本までついてきたら飼ってあげたいぐらいだがそれはできないので、ここでしっかりと離れてもらわねば。アサも「犬子どうしてるかな・・・」と完全に情が移っている。

その後日記を書き22時に就寝。
外で犬が吠えられる声を聞くと犬子が吠えられているのかな・・・と心が痛む

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